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自閉症の息子が言葉を覚えるまで|コミュニケーションシステムPECSとの出会い

息子のたいちがPECSと出会ったのが2007年ごろ(当時4歳)、それまでは「笑わないといより表情が無い」「言葉はもちろん発しない」お人形さんがいるようでした。
PECSに出会って13年(2020年現在)、今では単語ですが「お茶」「トイレ」「お風呂」などの生活用語が話せるようになり、歌まで歌うようになりました。もちろん笑顔もでます。

目次
自閉症の特徴
PECSとは
本格的に始める前に今すぐできるPECS
PECSを始めるには
息子たいちの変化
まとめ

自閉症の特徴

対人関係の構築が困難です。

赤ちゃんのときは母親にあやされても喜ばない、幼少期は集団活動ができない、ルールを守ってみんなと遊ぶことができない、その場の空気を読むことが苦手で驚いているのに大声で笑ってみたり、悲しいのに笑ってしまうことがあります。

コミュニケーションがうまく取れません。

自閉症は知的障害や言語発達の遅れがあるので、自分の思いをうまく相手に伝えることができません。言葉を発することができても相手の言葉の内容が理解できないので、おうむ返しをすることがあり、時に伝わらない苛立ちからパニックを起こす場面もあります。

また、思いをうまく伝えられないため、他者の手を動かすクレーン現象で要求を伝えることもあります。

興味や活動がパターン化されます。

関心を寄せるものが非常に狭くパターン的になります。ひとつの行動に強いこだわりを見せたり、いつもと違う行動パターンを非常に嫌います。毎週通うマクドナルドのドライブスルーでの買い物が、たまたま工事中のため店舗営業がされていないため、別のマクドナルドに行こうものなら大騒ぎになってしまいます。普段と違うイレギュラーなことに柔軟に対応することができないのです。

アスペルガー症候群」という障害があり、自閉症の特徴と同じものを持っていますが、知的障害と言語発達の遅れがアスペルガー症候群にはありません。

自閉症とアスペルガー症候群は重複する箇所も多く、近年では「自閉症スペクトラム」としてひとつの疾患概念として考えられています。

PECSとは

PECSは独特な代替・拡大コミュニケーションシステムで、1985年にアンディ・ボンディ(Ph.D.)とロリ・フロスト(MS. CCC-SLP)によってアメリカで考案されました。

PECSは6つのフェイズ(段階)から成り立っており、対象者が一枚の絵カードを“コミュニケーションパートナー”に渡すところから始まります。絵カードを渡されたコミュニケーションパートナーはすぐにその交換を要求として受け取り、要求を叶えてあげます。次に、絵カードの弁別(認識)を教え、そしてどのように文を構成するのかを教えます。さらに上のフェイズでは、対象者は修飾語を使ったり、質問に答えたり、コメントしたりすることを教わります。PECSの最優先の目標は機能的コミュニケーションを教えることです。

研究の中では、PECSを使っている中で発語が出るようになった生徒もいることがわかっています。音声表出機器(SGD)に移行する方もいらっしゃいます。PECSがエビデンスベースの介入であり、PECSの効果を実証する研究は沢山発表されており、増え続けています。

(ピラミッド教育コンサルタントオブジャパン(株)HPより引用https://pecs-japan.com/)

本格的に始める前に今すぐできるPECS

たいちがPECSを始める前に児童精神科医の門 眞一郎先生が行ってくださったことです。

この行動で、たいちが始めて大声で笑いました!

用意するものは絵カードに変わる代替品と今一番喜ぶ物です。

たいちの場合、絵カードの代替品として「ペットボトルのキャップ」、喜ぶ物「音が鳴って光るおもちゃ」を用意しました。

  1. まずは、おもちゃの存在を示すため「音が鳴って光るおもちゃ」を動かします。
    興味のあるものなので、かなり食いついてくれました。
  2. 次に補助役の大人が対象幼児の手を取り「ペットボトルのキャップ」をつかませ、おもちゃを持ってる相手に渡します。受け取った相手はおもちゃを動かします。これを数回繰り返しましょう。
  3. 次は自発的に「ペットボトルのキャップ」を、おもちゃを持ってる相手に渡すよう促しましょう。最初はうまく渡せなくても、おもちゃは動かしてあげます。しばらくすれば上手に「ペットボトルのキャップ」を渡してくれるようになります。
  4. 自身で動けるお子様であれば更に「ペットボトルのキャップ」を対象幼児から少し話した場所に置いてみます。対象幼児が自分で取りに行きおもちゃを持ってる相手に渡せることができるかに挑戦してみます。

この行動が、自分からの要求が他者に伝わった初めての体験だったので、大声で笑い喜んでいる姿に非常に驚いたのを今でも忘れません。

PECSを始めるには

児童相談所で相談

たいちは児童相談所からPECSを紹介していただき児童精神科医の門 眞一郎先生と出会うことができました。

ワークショップに参加する

PECSの具体的な指導内容・指導方法について、もっと詳しく知りたい方は、PECS ワークショップレベル1を受講することをお勧めします。ワークショップは日本全国で開催されており、PECSの概要についてのレジュメが含まれています

お申し込みは「ピラミッド教育コンサルタントオブジャパン」のHPから行えます。

ご自身で教材をそろえて実践する

PECSはエビデンスベースであり、正しく実践されれば本当に役に立ちます。逆に間違った認識で教えてしまうと効果を最大限に発揮できない可能性もあります。

トレーニング・マニュアルPECSスターターキットを用意してください(PECSの教材はアマゾン経由で購入することが可能です)。こちらのマニュアルにはPECSについての使用方法が全て網羅されています。なおワークショップに参加をご検討の方は、マニュアルはワークショップ参加時に配布されるので会場でお受け取りください。PECSを始める年齢は早ければよい遅ければ悪いと言ったことはありませんが、PECSの存在を知りお子様に取り入れてあげたいと少しでも思われたのであれば、すぐ実行されることをお勧めいたします。たいちは確実にPECSで変わることができました。

息子たいちの変化

PECSを取り入れて発見することが多々あったので一部をご紹介します。

回転寿司でマグロ好きが発覚!

歯医者さんの帰りは、家族3人で回転寿司に行くのがいつものルーティーンです。たいちが食べるものはパパかママが勝手に決めてました。親の勝手な固定概念でたいちはタマゴが大好き(実際においしそうに食べてたもので)と思い込んでいましたが、PECSで回転寿司のメニューカードを作って実践してみたところ、マグロ4連発!その後もハマチ、タイ、うなぎと要求。タマゴまったく食べないね。その日はいつもの倍以上食べた。食の好みがわかった瞬間でした。

トイレで用を足せるようになる

たいちのトイレは基本オムツです。PECSでトイレカードを覚えたことでパパが近くにいるときは大のほうはかなりの確立でトイレでできるようになりました。また「トイレ」と言葉で発して要求することもできるようになっています。

そのほか生活用語が話せるようになる

食事中に「お茶」カードで要求、お風呂に入りたいときは「お風呂」カードを、眠たくなれば「ベット」カードをと要求できることがどんどん多くなっていきました。カードを使えるとそのカードの単語も発音できるようになり、「お茶」「お風呂」ベットは発音しにくいのか「ニカイ」と場所を要求してきます。

まとめ

PECSは自閉症の方などコミュニケーション能力を補佐し強化していくシステムです。

PECSを始めるには、まず児童相談所に相談、ピラミッドジャパンが運営するワークショップに参加、ご自身でマニュアルとPECSキットを購入され活動していく。

PECSを始めることで、お子様の成長が目に見えて解るようになり、親子ともども成長できていくシステムです。

PECSとの出会いで私たち両親とたいちの人生は変わりました。

PECSとPECSを教えてくださった児童精神科医の門 眞一郎先生に感謝いたします。

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コメント

    • 門眞一郎
    • 2021年 10月 03日 1:36pm

    初めてたいちくんが笑った時の動画は久しぶりに見ました。私のやり方はへたくそですね。絵カードを戻すのが遅い。マグロ4連発、その後もたまごは要求しなかったとのことですが、私の記憶が間違っていました。マグロ3連発の次にたまごだと思って、講演でもそう説明していました。これからは修正します。

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